2021.11

2021.11

特徴ある医療資源をフルに活用して、そのポテンシャルを最大限に発揮できるようにしたい。

地方独立法人 神奈川県立病院機構 理事長
吉川 伸治 氏

吉川 伸治

Profile

昭和50年 神奈川県入庁。平成19年 同保健福祉部長。平成22年 同理事兼政策局長。平成24年 同副知事。
平成28年 神奈川県内広域水道企業団企業長。平成31年 地方独立行政法人神奈川県立病院機構理事長(現在に至る)

県立病院機構の紹介からお願いします。どのような病院から成り立っているのでしょうか。 

当機構は平成22年4月に、地方独立行政法人法に基づいて設立された法人です。高度・専門医療の提供や地域医療の支援などを通して、県民の皆さまの生命と健康を守ることに貢献しています。

組織的には、全体を統括する病院機構本部のほか県立5病院からなっています。
5病院を簡単に紹介しますと、足柄上病院は、県西地域に位置する地域の中核的総合病院として救急医療、災害医療、感染症医療提供のほか地域包括ケアシステムの構築に向けた取組などを行っています。

こども医療センターは、小児専門の総合病院として、小児の高度専門医療を提供しています。
厚生労働省から県内唯一の小児がん拠点病院に指定されているほかファシリティドッグが常駐する病院としても全国的に注目されています。
精神医療センターは、精神科救急医療システムの基幹病院としての役割を担い、思春期医療、ストレスケア医療、依存症医療などの精神医療を提供しています。

がんセンターは、都道府県がん診療連携拠点病院、がんゲノム医療拠点病院として県内のがん医療の中心的な役割を担っています。平成27年には、国内で5番目に放射線治療の一つである重粒子線治療を開始しており、患者さんの病状や生活の質に配慮した治療を行っています。
循環器呼吸器病センターは、循環器、呼吸器の専門病院として地域医療に貢献しています。

こうした取組は、当機構の理念にも掲げられているように、適確な医療を迅速に提供し、健康な社会の実現に寄与することを目的としています。

昨年からのコロナ禍において、現場の負担も大きいかと思います。県立病院機構ではどのような対応をなされてきたのですか。

当機構の新型コロナウイルス感染症対策については、
まず昨年2月のダイヤモンドプリンセス号においてコロナ感染症
が集団発生したとき、患者さんの搬送先として足柄上病院と
循環器呼吸器病センターが対応し診療にあたったことが
スタートでした。

この経験から、我々も患者さんが急増すると「医療崩壊」が起きてしまうということを実感しましたが、
それが県の「神奈川モデル」の構築につながっていると受け止めています。具体的には、中等症の患者さんは「重点医療機関」を設置して集中的に受け入れ、無症状、軽症の方は宿泊施設や自宅で療養していただき、
医療崩壊を防ぐというものです。

まず4月は、足柄上病院と循環器呼吸器病センターが重点医療機関に県内で最初に指定され、5月には、精神医療センターが湘南鎌倉総合病院とコラボする形で精神科の患者さんの重点医療機関になりました。

その後、こども医療センターは小児の高度医療機関として、
さらには、がんセンターもがん患者さんでコロナに感染した患者さんも受け入れるという体制を整え、機構全体として約120床確保して現在に至っています。

職員の方やコロナの患者さん以外の診療などに影響は出ていますか。

当機構には常勤で約2700人の職員がいますが、コロナ禍にあっても、このことを理由に退職した職員はほとんどおりませんでした。
コロナの正体がわからなかった当初は患者受け入れにあたっても風評被害や精神面でのプレッシャーはあったかと思いますが、「県立病院だから」という高い意識やプライドをもって対応してくれましたし、それは現在も変わっていません。

これまでの間本当に大変だったと思っており、私は職員の皆さんに心から感謝しています。

一つ懸念しているのは、受診離れ、検診離れにより通常医療が提供できていないのではないかということです。
例えば、足柄上病院では入院患者、通院患者ともにコロナ前と比べて4割前後減っています。機構全体でみても入院が2割、通院が1割減っています。心配なのは、持病などがある場合や発病に気づかない場合、受診しないことで症状が悪化してしまうことです。

やはり早期発見、早期治療が大切で、例えばがん治療の場合、がんセンターでは手術をはじめ、化学療法、重粒子線を含めた放射線治療あるいはゲノム治療といったように患者さんの病状に合った集学的治療を行うことができます。
県民の皆さんに是非医療資源を有効活用していただけるようPRを含めて努力したいと思います。

コロナの収束は見えてきているでしょうか。また今後はどのような対応が必要になってくるでしょうか。

コロナの感染状況は依然として波を打って発生するなど厳しいものがありますが、ワクチン接種が進み、最近は治療薬も開発されつつあります。
少なくとも感染しても重症化しないというレベルにもっていくことが望まれますが、やはり早い段階で治療するためには早期検査も必要で、そうした体制がすべて整うことで収束というものが見えてくるのではないかと思っています。

一方で、中長期的には新興感染症というものがいつどのように発生するかわからない状況にあります。
そうした中で今年、改正医療法が成立し、医療計画制度、外来医療機能などが見直されました。
これまでは、がんや脳卒中といった「5疾病」と救急医療や災害時医療などの「5事業」を中心に医療計画が立てられてきましたが、ここに新興感染症対策も事業に入ることが予定されていますので、例えば、病床の確保はもとよりや感染対策の強化などにともに取り組んでいきたいと思います。

最後に、県立病院機構の今後の展望ならびにメッセージなどありましたらお願いします。

感染症をはじめ、少子高齢化、災害への備えなど色々な課題がありますが、当機構の基本姿勢としては、これからも高
度専門病院として、地域を支援する医療機関としての役割を果たし、県民の皆さまの生命と健康を守っていくことです。
そのためには、設備整備や人材確保に、今後ともしっかりと取り組んでいく必要があります。

私自身は現在在任3年目ですが、当機構の医療資源には高いポテンシャルがあると思っておりますので、それをもっと活用、展開していきたいと考えています。

それぞれの病院特有の医療設備、技術というものがあって、例えば、がんセンターの重粒子線治療は患者さんにとって非常に有効なケースが多いですし、循環器呼吸器病センターの間質性肺炎センターには全国から患者さんが治療に訪れています。

こども医療センターではAYA世代に対する治療も行っています。県立病院の強みをもっと生かし、こうした力をフルに発揮して、県民の皆さんから信頼される病院となるように、職員が一体となって一層努力を重ねていきたいと思っています。

神奈川県病院機構にて(令和3年9月6日取材)

インタビュアー福井

2021.10

アフターコロナを見据えながら、引き続き地域の皆さまとの連携を深めていきます。
吉川 伸治

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