中国の故事に「備えあれば憂いなし」という言葉があります。普段から必要なものを準備しておけば、いざとなった時に困らないという意味ですが、これは防災にもあてはまります。
前回この欄で備えのためには家族会議の開催とハザード・マップについて紹介させていただきましたが、「大規模災害に備えるために」、まず何をすべきかもう一度確認をしたいと思います。
01 家族会議の開催(基本は企業も同じ)
- ひとりひとりの役割分担を決める
- 建物の耐震化と家具・機材の転倒防止など(ガラスには飛散防止フィルムを貼る)
- 非常持ち出し品のチェック(後述)
- 連絡方法や避難場所の確認(外出中の家族・社員等との連絡方法なども)
- 緊急時の電話番号の確認(友人・知人なども)
- 防災訓練に参加(学校が避難所になるケースが多いのでその訓練も)
- 隣近所への声掛けなど(自助から共助へ)
02 避難場所への安全なルートを知るために、ハザード・マップを手に入れ、自宅の周囲を歩いてみる
倒壊の危険があるブロック塀などがある場所や木造住宅が密集している地域は避ける。
03 非常持ち出し品の準備
一次持ち出し品リスト
最初の避難時、男性15㎏、女性10㎏
貴重品(通帳・印鑑・小銭)、携帯ラジオ、懐中電灯、ヘルメット、非常用食料と水、衣類・生活用品(下着・タオルなど)、救急薬品。
二次持ち出し品リスト
災害復旧までの数日間の自活用、最低で3日分出来れば5日から7日分
食料(レトルト・缶詰・チョコレートなど)、水(大人1人当たり1日3リットル)、燃料・その他(卓上コンロ・固形燃料・洗面具・簡易トイレ・ビニール袋など)。
- 食料は1食の目安が400キロカロリー。
南海トラフ巨大地震の場合
農林水産省案として、大人1人の1週間分の必須量として水21リットルや米675グラム、レトルトご飯7パック、缶詰11缶などをあげている。
以上述べた品は目安ですので、家族の好みに合わせて準備して下さい。
04 地震時のポイント(あわてず、落ち着いて)
- 身の安全をはかる
- 火の始末
- 急いで外に飛び出さない
- 地震時にはドアを開け、火災時には閉める
- 自動車は左に寄せて停車
- 避難は徒歩、持ち物は最小限
- デマに惑わされずに
05 津波から身を守る(海岸部では地震の後津波が予想される)
- ただちに高台などに避難
- 揺れが小さくても油断しない
- 津波は繰り返し襲ってくる
- 津波が見えてからでは逃げ切れない
- 避難は徒歩、持ち物は最小限
- デマに惑わされずに
以上のことを念頭に置いて「自分の命は自分で守る」「家族の命も家族で守る」ことを心掛けて下さい。
広報委員・NPO法人日本防災環境 山田一廣