会社の事業を簡単に教えてください。
創業の原点である書籍 ・ 文具を扱う約40店舗の運営に加え、通販事業、音楽教室運営、 図書館や地区センターの運営受託、OA機器販売、出版事業など、 多岐にわたっております。「有隣堂」というとまず書店をイメージされる方が多いかもしれませんが、 売上のほぼ半分は非書店事業が占めています。 新しいビジネスにも積極的にチャレンジしていく姿勢は、 進取の精神が息づく横浜で創業した有隣堂のDNAとして脈々と受け継がれています。
創業１１１年ですね。
1909年 （明治42年） 横浜開港50周年を迎えた同年に創業した当社の歴史は挑戦の連続でした。伊勢佐木町1丁目の間口2間、奥行き3間の小さな書店からスタートし、1956年（昭和31年）に完成した有隣堂ビル内にはレストラン、ギャラリーを備え、楽器販売も行い、文化や娯楽を渇望する戦後の市民の要望に応えました。高度成長期とともに県内の出店を拡大、さらに外商センターを開設しOA機器や楽器販売の拠点としました。1991年（平成3年）に東戸塚営業本部ビルが完成すると、東京圏への本格的な進出を図り、インターネット販売、新規事業の開拓など、文化・教育に関する商品を核に多様な事業を展開しています。創業1 0 0 周年では、『開港150周年記念 横浜 歴史と文化』を記念出版しました。
2010年代には、書籍・雑貨・カフェの「S T O R YSTORY」（小田急百貨店新宿店本館10階）、複合店舗「H I B I Y ACENTRAL MARKET」（東京ミッドタウン日比谷3階）をオープン、さらに「世界で最もクールな百貨店」と評される台湾の「誠品生活」日本1号店「誠品生活日本橋」（コレド室町テラス2階）の営業を開始し新たな業態での書店のあり方を追求しています。
そして創業111周年を迎えた2020年（令和2年）、桜木町駅前のコレットマーレ5 階に新コンセプトのブックカフェ「STORY STORY YOKOHAMA」を出店し、横浜を訪れるひとりひとりがストーリーを紡げる空間をご提案しています。また111周年を機に、これまでのご愛顧に感謝の気持ちをこめ、「１１１↓FUTURE楽しいことをはじめよう」をテーマとした周年プロジェクトを実施中です。スタッフ１１１名による本の紹介動画の配信や、オリジナル商品の販売、飲食店併設店舗での特別サービスの実施など、たくさんのお客様に楽しんでいただける企画をご用意しております。
御社の今後のビジョンなど、お聞かせください。
単に「モノ」として商品を売るのではなく、お客様の背後にあるニーズ、夢、希望を想像し、有隣堂にしかない、モノ・コト・トキでその夢や希望の実現のお手伝いをさせていただくことが、私どもの一番の使命と考えております。お客様のご期待の半歩先をご提案できる唯一無二の企業となるために、どんな小さなことでも、イノベーションを起こし続けることが大切だと考えます。そして社会の変化に対応していくこと、変化を予測していくことだけに止まらず、変化を自ら創出し、社会をよりよくすることができるような企業を目指してまいります。
