2021.01

2021.01

大学の関内キャンパス開校を機に産学官連携を更に推進し地域活性化に貢献していきます。

関東学院理事長
増田 日出雄 氏

増田 日出雄

Profile

1939年生まれ、関東学院大学経済学部卒。日揮株式会社(現 日揮ホールディングス株式会社)専務取締役経営統括本部長、代表取締役副社長、代表取締役副会長、学校法人関東学院常務理事を経て、2013年から現職。

増田理事長は、2009年に日揮株式会社(現日揮ホールディングス(株))の副会長を退任されてすぐ、常務理事として関東学院に迎えられましたね。

はい、本学のOB会に同期がいまして「日揮での仕事を終えたらこちらを手伝って欲しい」と言われていましてね。私も日揮で70歳まで勤めたものですから、本音はゆっくり過ごそうかと思っていたのですが(笑)、退職してすぐに連絡があり、母校への恩返しと思いお受けしました。横浜国大の学長を務めた飯田嘉宏先生が理事長に就任し、大学の志願者数増加をはじめ学院の改革に向けてさまざまな取り組みを進めてきました。

2013年に飯田理事長の後を受けて理長に就任されました。

飯田先生と二人三脚で学院の新しい運営に携わり、私は専門である財務会計をメインに、飯田先生をサポートする役割でした。ところが一期務め終えるタイミングで、飯田先生が健康上の理由で退職されることになったのです。私も若い方に後を任せようと思っていましたが、二人辞めてしまうと、これまで二人三脚でやってきたことが先に進まなくなるということで、はからずも理事長をお受けしました。

理事長就任から8年になりますが、学院の舵取りは順調でしたか。

そうですね、当初定めた目標は大体目処がたった、というところまできており、私の役割としては最後の仕上げに入っている段階です。例えば学院全体の財政の黒字化が課題でしたが、クリアすることが見えています。また、魅力ある大学づくりを進めてきた成果として、志願者数は10年前と比べて2.5倍になっています。18歳人口は現在120万人で、10年後には15%20年後には27%減ると言われています。単純に、大学の数が変わらなければ27%の大学が無くなるということです。この状況で何もしないのは怠惰でしかありませんから、新しい取り組みを進める必要があるのです。そのために規矩学長はじめ現場も積極的に動いて頑張ってくれました。たとえば2013年より学部改組を行い、5学部から現在は11学部体制になりました。何を学ぶ学部なのか明確にしたことが大きかったですね。「経営学部」「建築・環境部」「教育学部」「栄養学部」といったようにゴールが見えるようにしたことで、受験生の支持が増えてきたと思います。

キリスト教の精神に基づいた教育も特徴ですね。

もちろん、それが根底にあります。本学院ではキリスト教の精神に基づき、生涯をかけて教養を培う人間形成に努めています。「人になれ 奉仕せよ」という校訓にあるように、人のため、社会のため、人類のために尽くすことを通して自分を磨いていく。建学からその教育方針を引き継いでいますが、現代の共生社会において最も求められる考えであり、姿勢ではないでしょうか。

さて昨年はコロナ禍で4月くらいから多くの教育機関が休校になり、オンライン授業などを取り入れていましたが、関東学院はいかがでしたか。

本学院では、大学のみでなく小中高においても早くから情報化を進めてきました。小中高ではコロナ禍以前より電子黒板や生徒用のタブレット等を導入しており、一斉休校の解除までタブレット、ノートパソコンを利用して課題やオンライン授業の配信をスムーズに行うことができました。6月からは分散登校による対面授業を開始し、7月に入ってからは一斉登校に切り換えました。大学においては春学期はオンライン授業を行い、秋学期が始まった現在(2020年10月末時点)はオンライン授業に加え、三密を回避しながら一部で対面授業を開始しています。

アフターコロナにおいて、授業の在り方などに変化はあるでしょうか。

関東学院ではコロナ禍において先生方の努力で小学校から大学までオンライン授業への切り換え、実施がスムーズに行われ、混乱もなかったわけですが、考えさせられることは少なくありませんでした。ひとつには、知識を得ることを目的とする講義などはオンラインでも効果的な授業ができるということ。一方で、教員や学生同士でディスカッションを行うゼミナールや、実験、実習など、対面でなければできない授業もあること。ですから、今後はオンラインと対面を併用した授業を展開していくことになると思います。また、教育という観点からいうと、学生はキャンパスに来て仲間とともに過ごしたり、教員と議論をしたり、部活動に取り組んだりすることで成長します。状況が落ち着いたら、そのような学びの環境を十分に機能させていかなくてはならないと思っています。

仕送りやアルバイトに頼る部分の大きな大学生の経済的な苦境というのも社会的な問題になりましたが。

本学では、まず命と健康を守るための施策を徹底した上で、社会活動の停滞で経済的な影響を受けている学生が勉学を続けられるよう、「緊急総合支援策」を実施しました。給付型および貸与型奨学金の新設、学費の延納措置、PCの貸与や通信環境改善への支援など計7つの支援策に対し、必要とする学生が手を挙げる形としました。限られた原資のなか本当に必要としている人に必要な支援が届くことを最優先したため、重点的なサポートができたと思っています。

社会的には大変な状況にありますが、関東学院大学には「横浜・関内キャンパス開校」という明るいニュースがありますね。

ご存じのように、本学は2018年3月にJR関内駅前の教育文化センターの跡地活用事業者として選定され、関内キャンパスの新設に向けて準備を進めています。横浜の中心地に出て教育がしたいというのは、地域に根差した教育を標榜する関東学院の念願でもありました。過去にもみなとみらい地区や北仲地区などへの進出を検討したものの、入札方式では費用的に太刀打ちできませんでした。今回の横浜市の公募は関内駅周辺まちづくりと絡めた提案重視のプロポーザル方式でしたので、本学にとって非常にありがたい機会になりました。

どのようなコンセプトで開校されるのですか。

本学が近年推進している「社会連携教育」の拠点として産学官連携を更に推進していくことを目指します。横浜の中心である利点を活かし、企業や自治体、地域の人々と連携しながら、キャンパスを飛び出し社会の中で学べる環境を学生に提供したいと思っていますし、街と大学が一体となることで関内・関外エリアの活性化に貢献していきたいと思います。また先ほど申し上げた通り、18歳人口が減っていくなかで、日本も欧米と同じように社会人向けのリカレント教育が大切になってきます。技術革新が著しい現代においては、10年前、20年前の知識・技術は使い物になりません。新しいことを学んで、ビジネスへ活かしていくような拠点としても機能させたい。そのためにはJR関内駅前というロケーションはもってこいなのです。

すでに具体的なイメージなどあるのですか。

横須賀市に本社がある関東化成工業(株)は「プラスチックめっき」の技術で世界的に知られていますが、この会社は関東学院大学から生まれ、今でも密接な関係にあります。本学は表面処理の特許を多く有し、小田原キャンパスの「国際研究研修センター」には産業界から多くの技術者が集い、研究の場、リカレント教育の拠点となっています。この機能を関内キャンパスでも展開し、それをきっかけに他の研究分野にも広げていきたいと考えています。

最後に、今後の抱負をお願いします。

関東学院では常に中期計画のもと学院運営を推進し、飯田先生から引き継いだ後も、策定したグランドデザインに向けて歩んできましたが、今年度からまた新たな中期計画のもと未来へのビジョン実現に向けた活動を開始しています。2023年度開校予定の関内キャンパスがその転換の大きなきっかけになるよう、プロジェクトを成功させて、次の世代へバトンを渡したいと思っています。

関東学院理事長室にて(10月28日取材)
インタビュアー広報委員 福井

2020.12

素晴らしいコレクションを軸とした「みる、つくる、まなぶ」活動を展開していきたい。
増田 日出雄

横浜美術館館長
蔵屋 美香 氏

2021.02

「変化」を「チャンス」ととらえて、新たに「明日をつかむための進化」を目指します。
増田 日出雄

公益財団法人 横浜市スポーツ協会 会長
山口 宏 氏

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