2022.07
今年、開局 50 周年を迎え、 皆さまに 「感謝のカタチ」を お届けしていきます。
テレビ神奈川 代表取締役社長
熊谷 典和 氏
Profile
昭和43年6月29日生まれ。54歳。中学・高校を神奈川県横浜市にある桐蔭学園で学ぶ。1994年にテレビ神奈川入社後、音楽番組のプロデューサー、取締役営業本部長などを経て、2020年6月からテレビ神奈川およびグループ会社であるtvkコミュニケーションズの代表取締役社長を務め現在に至る。趣味は草野球、音楽鑑賞。
テレビ神奈川は「tvk」という愛称が広く浸透していますが、まず企業としての概要を紹介ください。
tvkは1972年4月1日に関東地方において3番目の独立放送局として開局し、今年50周年を迎えているテレビ局です。
組織としては東京支社、大阪支社を含めた営業局、県下に5つの支局をもつ報道局、番組制作を担う編成局などからなっており約100名の社員で構成されています。またこのほか広告代理店事業、イベント事業、テレビ番組制作などを行うtvkコミュニケーションズやテレビ番組放送をさまざまな面から下支えしているケイズアドバンストデータなどのグループ会社を有しています。
50周年を迎え、記念事業が行われていますね。
tvk開局50周年のコンセプトを「感謝のカタチ」として、tvkを愛し支えてくださってきた皆さまに、ありがとうの気持ちをお届けする事業を行っています。
木村カエラさんが書き下ろした開局50周年ソング「Color Me」は、この1年間色々なシーンで皆さまの耳に届くはずです。
4月1日には特別番組として「これからどうするtvk」を放送しました。これはtvkの歴史を振り返る番組で、MCをお願いしていたお笑いタレントのダイアンさんが体調不良で、急遽ミキさんに代役を務めてもらうといったこともありましたが、そのピンチを逆手に取ったかたちで大変盛り上がり、私も胸を撫で下ろしました。
アルコ&ピースさんもゲスト出演してくれてありがたかったですね。4月2日は「ライブ帝国ザ・ファイナル」として、保有する歴代ライブ番組のアーカイブ映像を紹介しました。
ご存じの方も多いかと思いますがtvkは開局当初から音楽番組に定評があり「ヤングインパルス」や「ファイティング80’s」をはじめ人気番組をお届けしてきました。
「もう一度見たい映像」には視聴者から2万件以上のリクエストが寄せられました。
このアーカイブ映像は来年の3月まで「音楽のカタチ」という番組を通して紹介していきます。
またこの秋に、弊社と同じく創業50周年を迎えるぴあさんと、はじめてタッグを組み、スペシャルライブを開催します。
ともにミュージックエンターテインメント界に新しい風と熱を起こすべく時代を駆け抜けてきた両社が皆様へ感謝を音楽にこめて開催しますので、そちらも大いにご期待いただきたいと思います。
コロナ禍においての状況、対応などはいかがですか。
売上げ面からいってもイベント関連が軒並み開催できないので、苦戦はしています。番組編成面でもさまざまな制約があり現場は苦労していますが、一方で色々なことを勉強させていただいてもいます。
視聴者の皆さまにはニュース報道を非常に感謝していだき、その重要性を改めて感じたこともその一つです。
また小中学校の臨時休業の期間に県教育委員会や横浜市教育委員会と連携し、「サブチャンネル」で学習や運動の情報を呼びかけたり、オンライン授業の内容を放送しました。
「お役に立つテレビ局」を存在意義とする私たちにとっては、非常に嬉しいことでした。
インターネットの利用などによって特に若い人のテレビ離れという現象がありますがそのあたりについてはどのようにお考えですか。
テレビ離れはもう何年も前から言われてきていることで、10代、20代の半数はほぼテレビを見ないという実態があります。これは社員にも言っていることですが、私たちの得意な分野としてずっと続けてきたコンテンツをつくる発想、能力はあるのだから、それは活かしていこうと。
テレビを通して伝えるだけではなく、スマホやタブレットでビデオ・オン・デマンド、ストリーミング配信などを楽しむ方が多いので、それらのサービスを通してtvkのコンテンツを提供していくこと、tvkにしかつくれないコンテンツを生み出していくことが大切だということです。
そのためには、外部の方と連携していくことが必要です。
コンテンツをつくるというと、これまでなら自分たちで完結できると思いがちですが、そうではないんですね。私たちとは異なる得意分野をもっている方との人脈を広げて、がっちりスクラムを組んで新しいものをつくることが求められています。
私たちはローカル局なので、ローカルで役立つ、面白い情報をいかに皆さまにお伝えできるかという点をしっかり考えるべきでしょう。
そのような状況において今後、5年、10年を考えたときにtvkにとって重要なのはどのようなことだと考えていますか。
やはり人材だと思います。伝えるべき情報、楽しめる番組といったものをいかに地域と密着し、地元の方々とともに価値観を共有して一つずつカタチをつくって発信していけるか、が大切なポイントになります。ですから社員には「コミュニケーション力」「プレゼンテーション力」「プロデュース力」を磨いて欲しいと伝えています。
「コミュニケーション力」をもって多くの人とふれあい話し合い、そこからさまざまなアイデアを創出して説得力のある「プレゼンテーション力」を発揮して実行へと移し、さらには周りを巻き込んでコトを動かしていく「プロデュース力」を求めたい。この3つはループしていきますので、それぞれを磨いて一人ひとりが一回りも二回りも大きくなることを望んでいます。
tvkのメインは放送事業ですが、放送外事業もさまざまなかたちで展開しているので、それらが放送事業のコンテンツづくりにも役立ってくるのではないでしょうか。
そうですね。私たちの売上高の約三分の一は放送外事業となります。そこでは意外に知られていませんがコンビニエンスストアの経営を行っていたり、住宅展示場の運営なども手がけていたり、グループ会社も含めれば関内ホールをはじめとする施設の運営・管理、西区平沼の「横浜イングリッシュガーデン」の運営・管理などを行っています。
「横浜イングリッシュガーデン」は、2200品種のバラをはじめとする四季折々の草花を鑑賞いただける庭園で、2009年の開園以来の来園者数は100万人を超えており、バラの世界機関「世界バラ会連合」で「優秀庭園賞」も受賞しています。
こうした街づくりにも寄与していますので、色々なかたちでコンテンツにからめたコラボレーションも可能だと思います。
また今年は50周年でもあり、放送外事業においても「感謝のカタチ」をお伝えしていきたいと思います。
横浜中法人会、約3000社の会員へ向けてメッセージをお願いします。
先ほど申し上げたように、ローカルテレビ局の存在意義として「お役に立つテレビ局」を掲げています。「いつもプロ野球や高校野球の放送を楽しんでいる」、「音楽番組のアーカイブが最高」といった声や「地元のニュース番組が何より助かる」といった期待に応え続けることはもちろん、地元の皆さまや企業の役立つことに貢献できればと思っています。
中法人会の皆さまとコミュニケーションを深め、ご意見アトバイスをいただきながら地元局ならではの情報発信に努めていきますので、今後とも宜しくお願いいたします。
テレビ神奈川本社にて
インタビュアー福井