2023.03

2023.03

昨年のリニューアルオープンもふまえ、さらなる集客とお客さまが回避する「エリアの核」として機能したい。

株式会社横浜赤レンガ 代表取締役社長
五十嵐 光晴 氏

五十嵐 光晴

Profile

生年月日/昭和47年6月2日生まれ(50歳)
社歴/2007年三菱商事都市開発入社後、商業施設の運営やテナントリーシング業務に従事し、2012年から2年間の中国北京駐在、2016年商業開発部長を経て2018年現職に就任。2020年三菱商事都市開発運営コンテンツ部門執行役員就任(兼務)。現職/株式会社横浜赤レンガ 代表取締役社長。趣味/道の駅めぐり。

横浜赤レンガ倉庫といえば誰もが知ってはいますが、そのプロフィールからご紹介ください。

赤レンガ倉庫はもともと明治政府によって保税倉庫として建設され、1989年までその役割を果たしてき
ました。1992年、横浜市がこの煉瓦造りの歴史的建造物を国から取得した後、再開発事業の取り組みがスタートしました。さまざまな議論を経て横浜市が設定したコンセプトが「港の賑わいと文化を創造する空間」であり、それを満たす再開発プランが推し進められました。
そして2002年に店舗や展示スペース・ホール、イベント広場などからなる横浜赤レンガ倉庫がオープンしました。
以来、往年の倉庫の面影を残しながらベイブリッジや大さん橋を一望できる海に面したロケーション、季節に合わせたイベント、小さなお店が軒を連ねるフロアなど多彩な魅力をもって港のシンボルとして歩んできました。

五十嵐さんは8代目の社長として、2018年の就任から5年目を迎えています。これまでを振り返っていかがですか。
 

私は社長就任以前、2年ほど社外取締役を務めていましたし、若い頃には赤レンガ倉庫の近くに住んでいたこともあり、この近辺の施設やお店は生活の一部として利用していました。赤レンガ倉庫のイベントも施設、地元客、観光客が一体となって開催されているのをよく見ていて、特徴のある商業施設だという印象を持っていました。
就任当時は、そういう魅力をさらに広げていく可能性を感じていましたね。賃貸事業においてはお店を改善する部分に余地があると思っていましたし、また世の中にモノからコトへというキーワードが生まれ、
消費者が体験や体感に価値を見出すハシリの頃でしたから、赤レンガ倉庫のイベント事業をさらに盛り上げていくためにどのようなアプローチをすべきか考えながら新しい軸を打ち出していきました。

就任3年目にコロナ禍を迎えましたが、影響はいかがでしたか。

非常に厳しい状況でした。私たちのビジネスモデルはイベントが集客装置として大きな柱の一つなので、人を集めてはいけないというのは致命的でしたね。
また賃貸事業の店舗もデイリー性のあるものではなく、観光客向けの品揃えが中心であり肝心の観光客がいないので苦労をしました。1年目の緊急事態宣言下における休業要請に従った後、国や県の指針と業界各社の動きと歩調を合わせながら、営業時間の短縮や入場制限をしてきましたが、なかなか賑わいは戻りませんでした。
コロナ禍から周辺商業施設の売上が少しずつ回復してきたなかでも、赤レンガ倉庫は停滞が続き、一人取り残された思いと、最もマイナスの影響を受けた印象があります。社員にとってもいかにお客さまを集め、喜んでいただくか、というのがモチベーションにもなるのですが、常にブレーキをかけながら取り組まなければならない面でストレスにもなりましたし、店舗との数々の折衝などにおいても葛藤があったと思うので、辛い時期ではありました。

昨年はウィズコロナが浸透してきたと思いますが、明るいニュースはありましたか。

そうですね、確かにウィズコロナにおいて、私たちのイベントもオープンエアであり開放的な場所で行うので、少しずつイベントを再開しました。例年開催してきた夏の「レッド ブリック ビーチ」、秋の「横浜オクトーバーフェスト」、冬の「クリスマスマーケット」などを実施し、ようやくコロナ以前の様子が戻ってきた感があります。特に「クリスマスマーケット」が過去最高の入場者数を記録したのは明るいニュースでした。
また昨年6月に「ヨコハマアーバンスポーツフェスティバル」を初開催したのですが、こちらが盛況だったことも印象に残っており嬉しい出来事でした。アーバンスポーツのなかでスケートボード、BMX、パルクール、ブレイキンなど6種目を実施し、日本を代表するプレーヤーを集め、その魅力を紹介しました。

私は以前から、従来のイベントではなく横浜から発信する新しいイベントをつくりたいと思っていたのですが、2日間で約5万人のお客さまにご来場いただき、メディアにも大きく取り上げてもらい、成功裏に終わることができました。私たちは常に新しいコンセプトで街を一体的に盛り上げることをテーマに取り組んでいきたいと考えているのですが、それが一つ実現できたという手応えがありました。

印象に残る取り組みといえば、イベント開催の一方で赤レンガ倉庫は昨年、大規模修繕が行われました。

確かにここ5年のなかでも最大の取り組みと言えます。大規模修繕はもともとミッションとしてあったのですが、どのタイミングで行うかを検討しているなかでコロナ禍に入ってしまい、昨年の5月に全館閉めて6カ月の工事期間を経て12月にリニューアルオープンしました。

開業から20年の歴史において老朽化が進み、主に空調設備とそれに合わせて館内サイン、新たな照明空間の工事、さらには店舗の一部刷新、そしてソフトの見直しなどを行いました。館内66店舗のうち新店が25店舗を占め、横浜を代表する洋菓子店の新業態店舗、横浜発祥のカフェ、世界各国の個性あふれる雑貨店などの店舗も多く、地元の方も楽しく過ごしていただける空間が整いました。
新生赤レンガ倉庫を提示し、先ほど申し上げた「クリスマスマーケット」の盛況をはじめ館内の店舗の業績も好調でした。

今後の抱負など聞かせてください。

赤レンガ倉庫がみなとみらい地区・新港地区において集客機能の一つとして大きく成長していることは事実であり、今後もその期待に応えていきたいと考えています。1年を通して県下はもとより1都3県そして全国からお客さまを呼ぶのは使命だと思っています。
そのため一つにはイベント事業を、従来のものから規模拡張したり、より魅力的なコンテンツを投入していきたい。またヨコハマアーバンスポーツフェスティバルのように新しいことにもチャレンジしていきたいですね。
さらに単体のイベントだけではなく周辺施設やエリアと連携していくことも大切です。昨年横浜市と一体的に取り組んだのが新港エリアの海沿いに面する、横浜赤レンガ倉庫、マリン&ウォーク、横浜ハンマーヘッド、ドリームドアの4 施設が合同で開催したイベント「ベイウォークマーケット」で、マルシェを楽しみながらシーサイドを散策し街の回遊促進に繋がりました。
これは今後年4回開催していく予定です。これまでも中華街の春節と連携したイベントや野毛エリアとの協
同販促を行ってきましたが、私たちのイベントと周辺エリアとの連携を積極的に展開しお客さまに回遊、滞在してもらえる仕掛けをつくり、エリア、施設同士が刺激し合い、互いに発展していきたいと考えています。

横浜赤レンガ倉庫にて(2023年1月13日取材)

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