2024.12

2024.12

「開かれた街」として周辺地域、施設と 連携しながら横浜を盛り上げていきたい。

横浜中華街発展会協同組合 理事長




進藤 さわと 氏

進藤  さわと

Profile

平成10年慶應義塾大学理工学部応用化学科を卒業し、アミナコレクションに入社。貿易部、物流部、システム管理、サポート部部長、仕入委員長、店舗部長を歴任し、平成15年に統括に就任。平成17年に取締役になり、現在にいたるまで、店舗展開戦略、店舗運営網構築、本部制導入、MD部・新事業部創設など企業戦略を主導。平成22年に代表取締役社長に就任、現在におよぶ。

横浜中華街発展会協同組合(以下、発展会)とはどのような団体ですか。

文字通り、横浜中華街の発展のために活動する協同組合で1972年に発足しました。その前身は1956年に任意団体として発足した「中華街発展会」です。
中華街で円滑に店舗運営するためのルールをつくったり、催事やイベントの運営を行ったり、街全体を盛り上げていくための活動に取り組んでいます。会員は中華料理店をはじめ中華食品屋さん、雑貨屋さん、中国茶屋さん、占いなど約430の組合店舗で構成されています。中華料理店はそのうち半分で、それ以外の店舗が半数を占めています。多くの方が中華料理店が圧倒的に多いように思われているようで、比率を聞くと皆さん驚かれますね。

今年5月に発展会の第6代理事長に就任されました。

実は発展会の理事長は、立候補者なき選挙、で決められてきた歴史がありまして、今回も立候補者がいないなか、組合員投票によって決まりました。私にとっては寝耳に水といいますか、まったく予想もしない選出でした。何人かの方からは「進藤さんに入れるから決まったらよろしく」とは言われていましたが、まさか自分がなるとは思いもかけないことでした。
ただ、誰かがやらなくてはならない職務なのでお引き受けしました。

進藤理事長は雑貨販売で知られる(株)アミナコレクションを率いる現役の経営者ですから、二足のわらじをはくという点でもう一つ大きな責任を背負うかたちになりました。

そうですね、社長業として当面のスケジュールは埋まっていましたから、理事長就任にあたりその点は調整してもらいました。現役社長のままでお役を務めますので理事長として持続可能な仕事のスタイルを構築する必要があると思っています。

少し会社のこともお聞きしたいのですが、アミナコレクションは雑貨販売の「チャイハネ」からスタートしたことで知られています。

はい、チャイハネは1977年に父が中華街で開店しました。
もともと父は民俗学を学んでいて、大学を出た後にトルコの民俗芸能の調査で留学していた経験もあります。そういうなかでその民族の土地に根付いた生活や文化を学者目線で分析するのが嫌になって、たとえばその民族がつくる民芸品などを仕入れて日本で販売すれば、それぞれの民族の文化と深く関わっていけると考えてお店をはじめたのです。

社長を継いだのはいつからですか。
現在はかなりブランドも増えて全国展開されていますね。

私は大学を卒業後、アミナコレクションに入社しました。父は経営者というより学者でしたから、店舗を拡大するといっても資金繰りや組織づくりなどはからきしでした。それで私が財務、人事といったところから組織づくりなどをサポートしてきました。事業に興味はありましたが社長になる気はなかったんです。長男である兄のほうが事業への熱意をもっていましたので彼が社長を継ぐものと思っていましたが、不慮の事故で亡くなり、父の落ち込む姿を見て「自分がやるしかない」と思いました。

社長に就任したのは2010年です。ブランドは「チャイハネ」をはじめ8ブランドとなり全国に約135店舗展開しています。「チャイハネ」はアジアの民族文化をテーマにしたブランドですが、民族という視点で考えたら日本でもいいし、ヨーロッパでもハワイでもいい、というアプローチで多業態化してきたのがここ10数年です。

発展会との接点はいつ頃からあったのですか。

父は九州は佐賀県の唐津出身で、生前、町おこしに尽力していたのですが志し半ばで亡くなってしまいました。それで現在私がその遺志を継いでいるのですが、あるとき発展会の方々と食事する機会があり、その席で「唐津の町おこしを手伝っているなら、足もとの中華街の町づくりも手伝ってほしい」と言われ、それがきっかけで発展会の理事になったのが2年前です。

そこから現在の理事長へつながっているのですね。今回の就任あたり中華街にはどのような課題があると考え、またどのような抱負をもっていますか。

対外的には3点あります。
歴代理事長が切り開いてきた道を踏襲することはもちろんのこと、まず高橋前理事長が掲げた「開かれた中華街」を目指した取り組みです。近隣との連携や行政との情報交換といったことを積極的に進められきた流れを受け継いで中華街とほかの街や機関、団体との関わりを拡大していきます。中華街だけが元気になればいいというのではなく、周辺エリアも含めて活性化を図りたいです。

二つめは中華街の集客力の強化です。中華街の集客の核はやはり中華料理ですが、コロナ以降外食する機会が減ったことをはじめ理由はいろいろありますが、店内飲食にちょっと元気がありません。そこで「ハレの日」には中華街、というイメージを改めて押し出して店内飲食の活性化を促進していきたいです。
三つめは中華街を訪れた方の回遊性を高めることです。今は大通りにお客さまが偏重している傾向がありますが、中華街には関帝廟をはじめ歴史や文化を感じられるスポットがあちらこちらにあります。街を巡る楽しさを味わってもらいながら、大通り以外の中華料理店やそのほか業態の店舗に寄っていただけるような戦略を立てているところです。

発展会という組織における課題はありますか。

対内的には、一つには財政規律を正すことが当初の課題でした。就任後数カ月かけて取り組んできたので持続可能な資金繰りといったことの目処はついてきたので、これからは組合店舗に寄り添っていくことを考えています。
発展会は春節をはじめとするイベント開催はもちろん、門の維持・管理や観光インフラを支えてきました。そうしたことの継続はもちろん、組合店舗に対して人手不足に対する支援であったり、困っていることや要望に対して耳を傾けできることをやっていきたい。今はそのための戦略を組み立てたり、行動プランを作成しているところです。
大事なものは継承し、変えるべきところは変えて、持続可能な組織をつくることに尽力したいと思っています。

最後に法人会員へのメッセージをお願いします。

中華街は全国からそしてインバウンドのお客さまもいらっしゃいますが、最も多いのは東京、神奈川のお客さまです。
もっといえば足もとの横浜市民、横浜の企業に支えられてきた歴史があります。
先ほど申し上げた「ハレの日」には中華街で、というアピールをより強く横浜市民や企業の皆さまにしていきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。
また同じ横浜にある組織同士、経済環境が厳しいなかでも前を向いて、一緒に横浜を盛り上げていきましょう。

株式会社アミナコレクション本社にて
 (10月1日取材)




インタビュアー福井

2024.11

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進藤  さわと

横浜市信用保証協会 会長




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